メンタルヘルスコンサルティング会社(一般民間企業)にて約10年間勤務後、不倫問題専門相談員、カウンセラーとして始動。
ご依頼実績:メンタルケアカウンセリング・心理療法は約850名、不倫問題専門のご相談は約500名(双方とも延べ人数)
最初は心理カウンセラー、セラピストとして、30代~40代くらいの女性専門で、抑うつ気分や不安障害で悩む方々のご相談をお受けしておりました。
そんななかご相談者に夫の浮気問題を契機に心を病んでしまった方が多くいたため、夫の不倫問題で心を傷つけられた妻たち向けのメンタルケアカウンセリングに専門特化して行うようになりました。
ただ……この問題は、心理カウンセリングやセラピーだけでは、本質的な解決につながらないということに気づき、徐々に葛藤が芽生えてきたのです。
つまり、どれだけメンタルケアをしても、奥さんの心は治らず、むしろその間に、夫の不倫問題そのものは悪化してしまうことがある、ということ。
夫に不倫されたことで受けた心の傷は、他のとは違って、加害者が身近にいるという特殊な事情がありますよね。
- 夫の不倫に気づいたが、どうしたらいいのかわからないので見て見ぬ振りしかできない
- 不倫を始めてから夫の暴言が増えて、ケンカばかりになっている
- 夫が不倫したことを一切反省していないので、また不倫を再発させるかもしれず、不安で仕方が無い
そうこうしている間に、奥さんの心がどんどん壊れ、ついに心の病にまで発展してしまうことがあります。
このような状況においては、まず「夫の不倫問題」を何とか解決しないと、いくら心のケアを続けたって、いつまでも堂々巡りになりがちなのです。
当然ですよね……
加害者である夫がずっと身近で奥さんに傷をつけ続けているのであれば、その傷は治ってはまた傷が開き、治りかけたらまた傷をつけられ……の繰り返しですから。
それからは、夫の不倫で傷ついた心を癒すためには、二段構えのサポートが必要だと思うようになりました。
一つは、通常の「カウンセリング」ですね。心の苦しみに寄り添うことで、ご相談者の心の回復をうながし、ご自身らしい生き方ができるように支援するというものです。
もう一つが、夫の不倫問題に対し現実的に対処できるように促すことです。
- 夫と不倫女の二人に、きちんとご自身の権利の元「不倫をやめろ」と働きかけたり。
- 不倫した夫がもし家庭に帰ってくるのであれば、きちんと反省させ、再発させないための取り組みをしたり。
- 水面下での継続があるのなら、それをしっかり見極めて、防止策を練ったり。
- もし夫が不倫をやめないなら、いつまでもその夫と共に歩むべきなのかを、しっかり考えたり。
これらの現実的な対処をしないまま、いくら奥さん一人が心をケアを頑張っても、本質的な解決はできないままです。
ですから心を病んでしまう前に、夫の不倫問題にきちんと向き合って、現実的な対処ができるよう、別のサポートをする必要があると痛感しました。
そのためカウンセリング業の合間に、調査員(探偵さん)や離婚カウンセラーに個別で指導してもらいながら、不倫問題の解決法を学びはじめました。
さらに、自治体の夫婦問題相談の相談員や、調査会社経由の離婚・不倫問題対処関連の相談員を臨時職として経験したり。
特に、調査会社経由の相談員の経験において、実際の不倫者たちの実態を多く知ることができたためとても有意義だったことを覚えています。
さらに、これらの経験の中で、世の中で言われているような「不倫される側にも、問題がある」というのは全く当てはまらないことにも気づき。
また、弁護士に依頼すれば解決とか、調査会社に証拠さえとってもらえば何とかなるとか、夫から愛サレる妻になれば夫は不倫をやめるとか。
そのような対処法は、現実に世にはばかっている不倫者たちには、あまり効き目がないということも悟ったのです。
さらに、不倫問題を解決できる奥さんと、いつまでも苦しみ続ける奥さんの傾向も見えてきました。
解決できる妻には、ある程度精神力があります。
夫に愛されることを人生の主軸にしておらず、自分の人生は自分で切り開くという自立性があるのです。
一方、いつまでも不倫問題に苦しめられ続ける奥さんは、夫から愛されること、結婚生活を維持すること、誰かに安心させてもらうことを人生の主軸にしている傾向があるようです。
まさにその思考が不倫問題を悪化させているのですが、そこに気づかないまま、いくら夫に泣きついたり女を叩いたりしても、なかなか同じループから抜け出せないのです。
その他、同じ不倫問題と言っても、本当に個々の事例によって全然事情が違うので、対処するにしても個別で考えないと駄目だということ。
本来ならうまくいくはずの正しい働きかけであっても、タイミングを間違えるとむしろ問題が悪化するということなど。
このあたりのことを、夫の不倫に苦しむ奥さんが知ることさえできれば、少なくとも心が病むまで問題を悪化させることなく適切な対処ができるようになるのではないかと思い、私にできる範囲のサポートを開始した次第です。
不倫問題で心を病むに至った妻たちのケアをしている関係上、「不倫問題の対処に失敗してしまった奥さんたち」の事例をたくさん知っています。
- 別れさせようと思ってした行動が、結果的に大混乱をまねいた
- 夫に家庭の価値をわからせようとして行ったことが、結果的に不倫を悪化させた
- 女に消えてもらおうと思ってした言動が、ますます女の略奪思考に火をつけ不倫者たちが盛り上がってしまった
- 合法的に女を痛めつけようと思ってした行動が、夫と女の結束を深めた
- 夫婦再建しようと思って頼んだ専門家に「離婚したほうがあなたのため」と言われて、したくもない離婚をすることになった
……そして、心を病んでしまった……
こういった事例を知っているからこそ、事前に「それはやめた方がいい、もし行動をするなら、リスクの乏しい行為を選んだ方がいい」とアドバイスできます。
夫婦関係が良くなる方法は、そのご夫婦の性格や不倫の状況、その他いろいろな要素が絡み合っているので、「この方法をたどれば夫婦仲が良くなる」と言いにくいのです。
一方、不倫問題が悪くなる方法は、ある程度パターンがあります。
- これをこの時期にやると、大抵うまくいかない。
- これをこの時期にやっておかないと、多分もっと悪化する……。
ですからまず、NGパターンを避けることから始めないといけないと思います。
そのなかで徐々に、それぞれのご夫婦の状況に合わせて不倫問題は解決していくし、その延長に夫婦仲の修復が見えてきます。
私は基本的にはメンタルヘルス相談業を生業としてきた人間であって、いわゆる「サレ妻出身のカウンセラー」ではありません。
2000年に結婚した夫がいまして、2003年生まれの長男と、すずという名の猫と共に、取りあえず円満に生活しております。
夫に不倫されたという経験は今のところありません。(陰で浮気をしているかどうか確認したことがないので本当のところはわからないですが……)
実際に不倫された辛さが心底理解できるかと聞かれれば、その経験がないので分からない部分も多いです。
夫の不倫問題専門カウンセラーには、自分も不倫をされた経験があり、その共感力を活かして同じ悩みを持つ人のケアをしている人も多いです。
そういう方の方が、同じ悩みを克服してきた経験者ゆえの共感をしてもらえるし、その人の経験した分野については非常に奥深いところまで助言をしてもらえることでしょう。
ただ、不倫されたという事実は同じであっても、その現象をどう感じるかは人それぞれ違いがありますよね。
さらに、対処するにしても、その方の場合は効果があった方法でも、どのご夫婦にも効果が有るかと言えば疑問です。
私には不倫されたという経験がないので、心からの共感ができないかもしれませんが、その分、分からないからこそ、ご相談者の気持ちに寄り添おうと思っています。
自分が不倫されて現実的対処をしたことはありませんが、その分、「私はこの方法で問題解決をしたからあなたもやるべき」と、押し付けたりしません。
さらに個々の夫婦にとって一番いい方法は何かを、冷静に考えるようにします。
Aさんの夫に効果があった方法だからといって、Bさんに押し付けず、Bさんの事情に一番合う方法は何かを考えようと思っています。
不倫問題が解決するのか否かは個々のご夫婦の関係性によってさまざまです。
そして何をもって「不倫問題から解放された」と感じるのかも、人それぞれですからね。
「〇〇になった」「〇〇にならなかった」という結果だけを求めて生きるのはやめて、心から納得できる道を探すこと。
ご主人の不倫問題をきっかけに、ご自身の本当の幸せを見つけていくことをお手伝いしたいと考えています。