夫は浮気した……でも夫のことはまだ愛しているし、別れたくない。
離婚する覚悟も、もちろんできていない。
夫婦修復を目指している、だから許すべきだ……。
だけど許して本当に良いものか、許さない方がいいのではないか?
このように、旦那さんの浮気不倫を許すべきか、あるいは?と悩んでいる奥さんは多いと思います。
浮気した夫を許すべきか
一般的には、夫が浮気をしたとしても、きちんと女と別れて家庭に戻ってきて、また夫婦やり直していくと決めたのなら、妻は夫を「許すべき」と思われていますよね。
水に流しなさい、忘れなさい、いつまでも疑っていてはいけません。
それが簡単にできれば、その方が良いでしょうが、普通の妻にはそんなことはできません。
許せない。疑ってしまう。いつまでも忘れられない。
それが通常の反応であって、「許さなきゃ~」「忘れなよ~」という意見は、浮気された妻の痛みを知らない部外者が、他人事だから言える無責任なものです。
そんな部外者が作った戒律に縛られて、浮気された妻はいつまでも苦しんでいるのです。
「べき思考」のときは心は反発している
我々が何かについて「○○すべき」と考えているときは、心は反発しています。
勉強すべき、早く起きるべき、運動するべき……と唱えているとき、心の方は
勉強する気にならない、まだ寝ていたい、運動は嫌だ……と反発している。
○○すべき、という思考が出るということは、そんなこと本当はしたくないし出来ないんだけど、「何かの目的があるから、しなければいけない」ということです。
- 勉強すべき → 昇進するためには試験に合格しないといけない
- 早く起きるべき → 仕事に間に合うためには早起きしないと間に合わない
- 運動するべき → 痩せて健康な身体になるには運動しないといけない
「べき思考」には、その後に理由や目的があります。
あなたがもし夫の浮気を「許すべき」と考えているなら、本当は許せないのですよ。
ただ、その後に何かの目的があるから、許さないといけないと思っているわけです。
夫の浮気を許すべき、の理由や目的を知る
浮気を許すべき、の本音は何でしょうか?一度考えてみてください。
「私は夫の浮気を許すべきだ。なぜなら、○○だから」の○○に、許す理由や目的を自分なりに入れてみてください。例えば
- 許すべきだ、なぜなら離婚したくないから。
- 許すべきだ、なぜなら、夫を愛人にとられたくないから。
- 許すべきだ。なぜなら、また円満な夫婦に戻りたいから。
- 許すべきだ。なぜなら、いつまでも許せないと自分が辛いから……
人それぞれ、許すべき理由はいろいろあると思います。
ただ、ここでいう○○という理由とか目的の部分は、別にあなたが心理的に許さなくても達成可能ではないですか?
- 浮気されたことを許さないまま、離婚しないこともできます
- 許さないまま、夫を愛人に渡さないこともできます
- 許さないまま、再度円満夫婦に戻った人たちもたくさんいます
- 許さないまま、「許せない自分」を許して心が楽になった人もいます
浮気した夫を、心理的には許さなくて良い
このように、心理的に許さなくても、これからの夫婦としての生活をうまくやっていくことはできます。
一方、心理的に許したからといって、目的の部分がうまく叶うとは限らないです。
心理的許しと、今後の夫婦がうまく行くか否かは、あまり関係ないことの方が多いです。
心理的な許しと、生活面での許しを分けて考える
ということで、心理的には許さなくて良いと思います。
許さないまま、夫婦としてやっていく。
許せるかどうかわからないし、一生許せないかもしれないけど、離婚はしないしいつかまた仲良し夫婦に戻りたい。
この程度の意識でいた方が、お互い楽ではありませんか?
一方、いつまでも生活面で「許さないからね!」という雰囲気だと、夫の方も窮屈ですしあなたも疲れますよね。
ですから生活面では「許し」の部分を、夫の状況に合わせて増やしていくといいです。
心理的な許しと、生活面での許しは分けて考えるということです。
心理的には許していないし疑い続けるけど、夫が浮気を反省して再度夫婦としてやり直そうとしている様子であれば、生活の場面では「許しているような感じ」で接する。
信用しているような感じで夫に接し、生活面でも自由にさせる。
ただ、心理的には許していないし観察は続ける、ということです。
「浮気した夫を許せない」という自分の気持ちを許すと、自然と考えなくなる
「許すべきだろうか、どういう状況だったら許してあげてもいいのか、他の人はどうしているんだろう?」……
そのようなことを考えているとしたら、まだ心の傷が回復していないし、夫への怒りが収まっていないのです。
「夫を許すことなんか絶対できない!」と心が叫んでいるのですから、その気持ちの方こそ大事にしてあげてください。
「許せないよね、辛いしまだ忘れられないし、また再度浮気されるんじゃないかと心配だよね……」と、自分の心に共感してあげてください。
心の叫びを聞かないでいると、いつまでも叫びは終わらないし、もっと強く叫ぶようになります。
構ってもらえなくて寂しい幼児は、構ってもらえるまでいつまでも泣き続けますよね……
そんな時に「黙りなさい!静かにすべきよ!」と言ったってだめですよね……
それと同じなので、「許すべき」と心の叫びを制止しないでください。
「許せない」と思うことをご自分に許してあげてください。
だとすると、いつまでも許せないままなのか……というと、そんなことはありません。
きちんと「許せない」という気持ちに寄り添うと、気がついたら自然に、「許すべき?」みたいなことを考えないようになってきます。
むしろ、「許すべき許すべき」と呪文のように唱えていた人の方が、いつまでも許せない気持ちに苦しみ続けているものです。