夫に浮気をされた……そのときの辛さ、悲しさ、怒り。
浮気は終わって再構築をしているのに、ことあるごとに記憶がよみがえってきて、何年経ってもなかなか消えない。
夫が優しくしてくれても、どうしても不意に上がってくる生々しい過去の記憶……。
あの時見た画像、あの時見つけた夫と女のLINEのやり取り。
夫に言われたひどい言葉。あの女が付けていた香水の匂い。それを思い出すと
- 子どもみたいに泣きじゃくってしまう
- 夫に暴言を吐き、暴力も振るってしまう
- 身体が震える、吐き気がする(本当に嘔吐する)などの身体症状
- 自傷行為(リストカット、暴飲暴食、やけ酒)
上記のようなことがよく起こります。このくらい、「夫に裏切られた」という出来事は、妻の心を壊してしまうのです。
浮気・不倫のフラッシュバックを軽くするために妻ができる5つの取り組み
基本的にフラッシュバックは無理に消そうとするよりも、時期が来ればおさまると思って共存する方が良いのですが
いつまでも情緒不安定のままだと、このままではいけないし何とかしなければ!と思いますよね。
実は、同じように辛い経験をした奥さんの中にも、いつまでも重いフラッシュバックに苦しんでいる人もいれば、だんだん軽くなって乗り越えていく人がいます。
私が実際に知っている少数のケースだけでもその傾向があるので、日頃浮気されたことで苦しんでいる奥さんに接している知り合いのカウンセラーさん、探偵さんが担当したケースはどうなんだろう?と思い、聞いて調査してみました。
するとやはり、フラッシュバックを軽くすることができた奥さんは、ある程度共通した取り組みをされているようです。
そこで、フラッシュバックを乗り越えた妻たちが、具体的に何をしていたのか、事例をもとに紹介します。(※ただし個人差がありますので参考程度になさってください。)
浮気のフラッシュバック対策1:感情発散を我慢しなかった
フラッシュバックは「過去の生々しいトラウマ的記憶」が、心と身体から外に出ていくときに、副作用みたいに起こる現象だと考えると、フラバを抑えすぎるというのはむしろ心身に怒りや不安を抑えこむことになります。
感情の発散をおさえ、我慢し続けていると、逆にフラッシュバックは長く続きますし、次に起こったときに爆発的なものなりがちです。
フラバが早めに軽くなった奥さんは、我慢しない、泣きたいときは泣く、怒りたいときは怒る、そうなってしまう自分を責めない
など工夫されていたようです。
浮気のフラッシュバック対策2:夫に協力を求めた
フラッシュバックが起こるとき、大抵その感情の矛先は、浮気シタ夫ご本人になるわけですよね。
とはいえ何度も責められているうちにご主人の方がお手上げ状態になり。
「もういい加減にしろ」「いつまで過去のことを言うんだ!」「これ以上どうしろっていうんだ」などと、逃げてしまいます。
ここまではどの奥さんも一緒だと思います。
しかしフラッシュバックの軽減が早かった方は、逃げ夫にあきらめてしまわずに、何とかして夫と共に乗り越えようと夫に協力を求めておられました。
たとえば冷静なときに、以下のようなことを夫に伝えておくとかです。
- この怒りは、不安から来ているから、あなたが私を不安にさせないような行動をしてくれることで、ずっと早く楽になれると思う
- あなたに制裁をしているつもりではないのに、どうしてもこうなってしまう(ゴメンね)
- この不安定な感情を、あなたが受け止めてくれたら、一人じゃないと感じるから安心する
- 過去の浮気のことを詳細に知って、自分のなかで理解して、しっかり受け止めていくことによって、元気になれると思う
- これはいつまでも続くわけではなく、落ち着く日が必ず来ると感じる
- フラッシュバックは心の回復のために必須だと本で読んだ、リハビリだと思って耐えて欲しい
こういうことを伝えておくということです。
そもそも浮気シタ夫の感覚では、奥さんがいつまでも過去のことで怒り狂っていると
- 妻はこれからも、ずっとこのままに違いない
- 過去の浮気について語れば語るほど、その記憶が強化されて、むしろひどくなるに違いない
- 妻が思い出せば出すほど、自分はもっと嫌われる
- 俺を責めることで妻は復讐を果たそうとしているに違いない
- 一生このままだったら、別れた方がお互いのためかも
- 自分にはもう、何もできることはない
このように誤解しています。
そして、どうしたらいいのかわからないから逃げるしかないわけで、本当は奥さんを支えたいと思っている方も多いです。
そのためシタ夫側の気持ちにも配慮して、なるべく冷静なときに、フラッシュバックを夫婦で乗り越えるための「共通意識」を持っておくと良いと思います。
フラッシュバックが起こったときに、具体的に何をして欲しいか、何をして欲しくないのかを、奥さんが事前にご主人に伝えておくのもいいですね。
たとえば、フラッシュバックが起きたときに、夫にして欲しいこととして
- 何も言わずにぎゅっと抱きしめて欲しい
- 手を握っていて欲しい
- 背中をさすって欲しい
- 落ち着くまで一緒にいて欲しい
- 「大丈夫だよ、安心して」と言って欲しい
- 昔の不倫女のことを聞いたら、包み隠さず話して欲しい
- 女のことは何を聞いても絶対に言わないで欲しい(逆に後から思い出して辛いから)
などです。そしてして欲しくないことは……
- 「ゴメン」とか「俺が全部悪かった」とか、適当な言葉で逃げようとしないで
- 部屋から逃げるように出ていくのはやめて
- 「俺も辛かった」みたいに、俺も俺もって言うのはやめて
みたいな感じで、何をして欲しくて、何をして欲しくないのか、奥さん個々に希望があると思いますので、それを率直にご主人に伝えておくということです。
フラッシュバックは、心理的な発作ですよね。
発作的な症状が出てしまう病気をお持ちの方は、その時に家族がどう支えるかを、発作が起こる前に準備しておきますが、それと同じように、夫婦二人で準備していくといいです。
浮気のフラッシュバック対策3:「うつ病治療」に準じた食事・睡眠・運動のサイクルを作った
夫の浮気をきっかけに本格的に抑うつ状態に陥って、心療内科を受診する方は多いです。
そしてそういった方の方がフラバは早く軽くなる傾向があるようです。
それは心の不調を治すための専門的な支援が得られるからですね。
眠れる薬や抗うつ剤、抗不安剤は、一時的にとても心を楽にしますから回復が早いのは当然です。
とはいえいつまでも薬に頼るわけにいかないので、薬に変わる療法を医師から指導されたりご自身で検討されたりします。
そのため早い段階で「心が回復する生活習慣」を身に着けることができ、それが結果的にフラッシュバックを軽くしていきます。
うつ病や神経症を改善させる生活習慣とはたとえば、食事や睡眠を整えるのもそうです。
「うつ 食事」「うつ 生活習慣」とか「神経症 食事」などで調べてみれば、適した食事法や生活習慣がわかると思います。
こういったのを参考に食と睡眠を整えるというのは、フラッシュバックを起こしてしまう「疲れている心」を治すことになります。
さらに科学的に効果が実証されている「運動療法」は、確実にフラバの軽減にも効果があります。
「運動療法」というとすごく特殊な運動するのか?と思いがちですが、1週間に3回以上、30分程度の有酸素運動を行う、という単純な方法ですので誰でもできます。
ウォーキング、ジョギング、ステッパーやエアロバイクetc、何でもいいです。
ある奥さんは、韓ドラを見ながらステッパーを1日30分、それを繰り返すこと3か月でかなりフラバは楽になったそうです。
動けば睡眠もとれるようになり、食欲も戻ってくる、ついでに体型も健康的になる。そしてフラバも楽になる。
いいことづくめです。無料ですしね。
トラウマ的な記憶や精神的なストレスは、心(脳)だけではなく、肉体にも入っている、という説があります。
スピリチュアルな説ではなく、科学的な説で、です。
ですから運動療法は、運動によって「マイナスな記憶」を外に出していくのにすごく効果があり、それが睡眠の改善になり、睡眠の改善が心の強化につながっていくのだと思われます。
浮気のフラッシュバック対策4:依存思考から脱却した
運動して肉体からストレスを出していくのと並行して、「思考」を整えるのもすごく効果があります。
何を考え、何を思い、どういう信念で生きるか。
思考が柔軟であれば楽に生きられる一方、思考が不健全だったり極端であれば、辛い日々が続くのは浮気された奥さんに限らず誰でもそうですよね。。。
本当は思考を止めることができれば一番いいのでしょうけど、人間である以上思考を止めることは無理です。
でも、思考の傾向を、フラッシュバックを強めるものから楽になるものに変えていく努力は無駄にはならないです。
フラバを強める思考は、やはり依存思考です。。。
夫がいないと生きていけない、離婚は絶対できない、夫に愛されたい、愛されない私には価値が無い……
こういう思考が強すぎると、「また浮気されたら私はおしまいだ」という恐怖を強めることになり、少しでもご主人の動向に気になることがあるたびに強烈な恐怖に襲われ、激しいフラッシュバックが起こってしまいます。
そしてそのフラバが怖いから、またご主人への依存や束縛が強化して、「もう二度と浮気しないっていう誓約書を書いて!」「GPSでずっと監視してるわよ!」みたいになってしまい。
そう言われた側のご主人はうんざりして徐々に夫婦仲も悪くなって、ますます奥さんの恐怖が強くなっていく……という悪循環になりがちです。
夫に愛されることにこだわり続けている方で、表面上夫婦仲が良くなっているのですが、なかなかフラッシュバックはおさまらず、実はご主人には見せない場所で、隠れてフラバに襲われて悩んでいる、という人は結構たくさんいます。
一方、どこかで依存的な思考をもう少し軽くする努力をした奥さんは、フラバも軽くなっていかれます。
- 夫と私は一心同体ではないんだ
- 夫にも隠れた一面があったけど、それも含めて夫なんだ
- 心から信頼していた夫は、もう戻ってこないんだ
- もし夫が私を裏切り続けるなら、私は夫とは別の道を進もう
こういった自立思考が芽生えてくるにしたがって、フラバの頻度が減ってくる傾向があるようです。
浮気のフラッシュバック対策5:夫の浮気より前に過去に人から傷つけられた経験に気づき癒した
現在のフラッシュバックが起こるきっかけはご主人の浮気なわけですが、もしかするともっと前に受けた心の傷が、浮気事件をきっかけに浮き上がってきたために異常に辛い、というケースも多々あります。
実際、異常なほどフラバが強い方は
- 過去に父親が不倫をしていて、家庭を壊し、母親を泣かせていた
- 母親から冷たくされていた
- 小学生時代に悪質なイジメに遭ったことがある
- 浮気癖のある男性との恋愛経験、ひどい失恋の経験がある
など、過去のどこかで「信じていた人に裏切られた」という経験があって、そのときの傷口がご主人の浮気事件で再度パックリと開いてしまい。
そのケースの場合は、夫との関係だけで何とかするというより、自分の心の中にある「過去の傷」にも気づいて癒していく努力が、今現在の辛いフラッシュバックを軽くしていくことがあります。
心理カウンセラーに相談している人は、早い段階でこれらの「過去の傷」とつなげて、同時にケアできるでしょう。
カウンセリング以外にも、内観とかメディテーション(瞑想)、ヒプノセラピーなど、過去も含めて、自分自身の「内側」との対話をする方法を上手に取り入れた奥さんは、徐々にフラッシュバックから解放されていきます。
(傾倒しすぎも良くないのでバランス良く……ですが)
心の傷は自分で治す意識を持つと早く楽になれる
浮気のフラッシュバックは、きっかけとなった出来事はご主人という他人がつくったものです。
ですから完全に奥さんは被害者なわけですが、心の傷は、自分自身で治すんだという意識を持っている人の方が、早く楽になれるようです。
不慮の事故とか犯罪被害を受けて心身に傷を負った人と同じですよね。
加害者側への追及も補償の要求も当然の権利ですけど、自分の心身を治す力があるのは加害者でも医者でもなく、自分しかいないですからね。。。